実名で頂いた質問と回答の内容を許可を得て匿名で公開いたします。

ファンキー末吉支援者の会
ご担当者様

突然のメッセージ失礼致します。
○○○○○と申します。
以前より当裁判の記事を拝見しておりまして、また、ミュージシャンの知り合いも多いために興味を持っておりました。

私個人と致しましては、音楽業界で適正分配がなされないのは当然に許されないことであり是認すべきではなく、また同時に使用者、ミュージシャンもその部分については誠実潔白であるべきとの考えを持っています。

賛同できる部分については、私個人という極小の単位であっても周りの人間と話すことで少しでもその誠実性を上げることができるのでは、また、それに貢献できることがたくさんあるのではないかと考えております。

そうしたときに、当裁判について、また支援者の会様につきましていくつかお尋ねしたい点が出てまいりましたので、是非ともご質問させていただきたいと考えました。

1.当裁判の発端は恐らくJASRAC側からの、店側の著作権使用料滞納に対する指摘だと思われます。現在の状況として、支援者の会様サイドとしては強く曲別徴収方式を拒むJASRACの側面を強く非難しておりますが、これは「現在から将来に向かっての曲別徴収方式をJASRACが拒んでいる」のか、それとも「滞納分につき、確実にいつ何を演奏したかのデータ(現状提出可能)が存在するにも関わらず、JASRACがその真実性を否定して拒んでいる」のか、いずれの形でしょうか?

1.回答
裁判の訴訟内容は知る由もございません。あくまで、ファンキー末吉さんのブログに掲載されている内容を読む限り、ファンキー末吉さんがどういう立場に立たされているのか? 今までJASRACがどういう徴収と分配をしてきたのか? という事や、他のJASRACに訴えられた人達や店舗の情報を独自に収集し、JASRACの実態を訴えております。裁判の訴訟内容や、JASRACの今まで、今後のJASRACの対応につきましては、疑問に感じている皆様から、JASRACに直接問い合わせてみることをお勧め致します。

2.ライブハウスやミュージシャンに対する過払い金返還の呼びかけをなさっておりますが、同時に関係ライブハウスに対する曲別徴収方式の推進も行っておりますでしょうか?個人的にはライブハウスが支払う当事者である以上、これが行われなければあまり意味がないような気がいたします。

2.回答
江川ほーじんさんが指揮して公開された「RIS:演奏曲目入力システム」という利用した楽曲の利用状況を把握し、JASRACの書式で提出できるシステムがあります。曲別に利用許諾料を支払いたいライブハウスは、このシステムを使ってJASRACに許諾請求しています。包括的利用許諾契約をしているライブハウスは、「RIS:演奏曲目入力システム」公開と同時期に、JASRACが後から準備した「演奏利用申込/契約施設利用曲目報告システム」から、曲毎の利用報告が出来るようになっています。
日本全国のJASRACと包括的利用許諾契約を結んでいる皆様へ

3.対JASRACの構図としてエーベックスがイーライセンスやJRCを傘下に収めましたが、これまでの利潤追求のためではない(適正分配がなせれているかどうかは別として)一般社団法人が徴収役出会ったのに対し、凡そ支援者の会様含めたくさんの方々が期待しておられますイーライセンスやJRCが株式会社という性格を持つようになったことに対してはどうお考えでしょうか?個人的には仮に同じ曲数が委託された場合には、現状ではシステム的には確実に分配額が減ると予想しております。

3.回答
予想も付きません。

4.上記と同様に、膨大な曲数の管理に関して、エーベックスではまだ無理なのが現状だと思われます。現状ですら徴収役と分配される側の取り分につき争いがある状況ですが、これから曲別徴収方式を採用するにあたりさらなる人件費、システムコストをかけ、尚且つ株式分配も行いつつ、現状以上の分配が可能なのでしょうか?JASRACのシステムについては把握しておりますが、あのシステムではまず不可能と思われますので、何らかの新しいシステムが必要かと思われます。

4.回答
同感です。JASRACに対して、コンサートホール等で管理楽曲を利用した場合は、現在も個別利用曲の許諾申請をして一曲毎に支払いをし、JASRACはこれを使用者に許諾および請求し受け取っています。実際に払ったことがありますが、正しく分配されるるかどうかは「日本の音楽これで委員会」が現在も調査中です。

また、包括的利用許諾契約をしているライブハウスについては、演奏曲の報告を「主催者や演奏者が」申請する手段を試みたことがあります。しかし「演奏曲報告書の扱いについてJASRACから返事が来ました。」この回答のように、契約しているライブハウスからの演奏曲申請以外、JASRACは実際の演奏者や主催者からの申請は受け付けません。

BGMでの音楽利用とライブハウスでの楽曲演奏利用は、JASRACでの扱いが非常に似通っています。つまり、国会でも文化庁が証言したとおり「全ての曲の利用申請をさせることは、利用者側の負担が大きいため、サンプリングして分配している」という立場を強調していますが、利用許諾料を徴収する以上、何を利用したか? 把握し分配するのはJASRACの仕事ですので、利用者側が負担と感じるかどうかは、個々のライブハウス経営者の裁量で選択するべき事です。現状のようにライブハウス側に選択の余地が無い状態は、契約とは言えず「強要」であると受け止めております。何故なら、JASRACの規約「8社交場における演奏等」には「ライブハウスは、包括的利用許諾契約と曲毎の利用許諾契約の選択ができる」と書いてありますが、実際にはライブハウスに「曲毎の利用許諾契約」をJASRACと交わしている店舗は有りません。

ライブハウスという経営形態の定義については、改正風営法で「特定遊興飲食店営業」としてひと括りにする案が出ており、これをもって、JASRACが「ライブハウスである」と定義した場合、一ヶ月に4日しか演奏しない「特定遊興飲食店営業」店舗も出てくると思うので、選択の幅が広がるかもしれません。

何か新しいシステム案があれば、是非公開して頂き音楽著作権管理団体に利用を促してください。

長々と、また、批判的なニュアンスも含んだ書き方となってしまい申し訳ございません。ただ、真実を知り、将来の音楽に何らかの形で貢献できたらと考えております。何卒宜しくお願い致します。

「批判的なニュアンス」があるようには感じておりません。
ただし「ファンキー末吉 支援者の会」の立場は、裁判費用の寄付を集め、ファンキー末吉に全額渡し、JASRACとの裁判を継続的に闘える金銭的寄付の窓口として機能しています。現在進行中であろう裁判の傍聴にも出席しておりませんし、裁判の状況も判りません。

今朝もavexのニュースが出ていましたが、JRCもイーライセンスも今まで「音楽の演奏利用」部分については、全ての音楽の管理をJASRACに管理させたままでしたので、今後avexがどこまで管理するのか観察しています。

以上をもって、ご質問の回答とさせていただきます。
率直なご意見ご感想、ご質問ありがとうございました。

ファンキー末吉 支援者の会 代表 河崎 覚