「演奏曲目入力システム」をはじめます!

日本には、JASRACが徴収している音楽著作利用料というお金があります。
しかしそれがどういうわけか?

「包括契約」の名の下に、その著作権者に正しく分配されていません。

詳しいことはファンキー末吉さんのHPを読んで下さい。http://www.funkyblog.jp/jasrac/
日本のひとりのミュージシャンが今も闘いを続けています。
それは何のためでもない、すべて日本の音楽を守るために闘っています。

彼は裁判中なので、江川ほーじんさんが先頭に立つこの行動に関わっていませんが、この日本の音楽を守る闘いのために支援者の会は何が出来るか? 様々なミュージシャンや支援者の方達と試行錯誤して来ました。
そして今回、同じくファンキー末吉さんを応援している江川ほーじんさんや、地元八王子の弁護士の方々と相談して来た結果、考え方を根本に戻して下記のような行動を起こすことにしました。

まず「ライブハウスで自分の曲を演奏しても自分に著作権料が分配されない事実を立証する」ことです。

JASRACは「ライブハウスで演奏されたすべての曲を特定するのは利用者にとっても大きな負担となるため」という主張を根拠として、ライブハウスや社交場から集めた音楽著作使用料を「包括契約」というブラックボックスに入れ、どこの店かも分からない「モニター店」と称する店で調査したサンプリング結果をもとに、どんなサンプリング内容であったかも一切明かさないまま、集めた音楽著作料を分配している実態があります。

(国会質疑による文化庁・長官官房 審議官の答弁:http://youtu.be/hSrHhh0bnCo?t=1m16s

このデジタル化が進んだ社会の中で
「ライブハウスで演奏されたすべての曲を特定するのは利用者にとっても大きな負担」なんて、
そんなに大変なことでしょうか?

Live Bar X.Y.Z→Aでは、演奏者がすべての演奏曲をJASRACに指定された形式にのっとり、全曲手書きで「社交場利用楽曲報告書」を書いています。
この時代に日本の著作権市場をほぼ独占するJASRACのシステムは、まだ「手書き」なのです!!
手書きで書かせたリストを提出させ、それをJASRACが手入力して集計しているのです。

大変なのは、その時代遅れな手書きのシステムのせいではないのか?

そこで、江川ほーじんさんのアドバイスを受け、演奏曲目を簡単に入力出来て、それをJASRACの記入フォーム形式でデジタル出力できる「演奏曲目入力システム」を構築することにしました。
来月12月1日にベータ版を公開し、来年1月1日から本格的に始動します!

自分で作った音楽をライブハウスで演奏しているミュージシャンの皆様!

このシステムを使って、演奏場所と演奏曲目を入力するだけでOKです。
JASRACと信託契約していないオリジナル曲しか演奏していないミュージシャンは、著作使用料をJASRACに支払う必要がありません。

演奏曲目入力システム

そしてJASRACに自分の曲や歌詞を信託契約しているミュージシャンは、印税分配の明細書が届いた時に、胸を張って「振り込まれてないものがある」と言うことができます。
JASRACが包括契約で徴収した使用料から、自分に支払われるべき著作権料をきちんと取り返したいミュージシャンは、その録音を保管しておいて下さい。それを証拠として請求できるよう弁護団がその手伝いをしてくれます。

ライブハウスや社交場について、著作権印税を過去に遡って支払いするシステムはないようですが、このデータ蓄積によって、将来遡って支払えるように変わるだけでもこれは大きな進歩です。
現状ではすべてのライブハウスに包括契約を強要していますが、それが曲別分配で正しく分配されるシステムに変われば、日本のライブハウスやミュージシャンを取り巻く現状は大きく向上します

支援者の会を支えている弁護団の代表弁護士によると、こうして演奏曲目が特定出来るということはライブハウスにとっても大きなメリットになると言います。

包括契約に疑問を持ってJASRACとまだ契約を交わしてないライブハウスは、末吉さんのように訴訟を起こされた時にこの演奏リストが裁判を有利に運ぶ要素になるだけでなく、既に契約をしているライブハウスも、このデータベースに入力さえしていれば月々の包括契約料が妥当な料金なのかどうかが一目瞭然でわかります

戦いには時間がかかります。
しかしこの小さな一歩が大きな変革を起こす原動力となるかもしれません。

あらゆるミュージシャン、あらゆるライブハウス、一般の音楽ファンの皆さん。パソコンが苦手でも、自分が好きなアーティストや演奏者からの委託があれば、ライブ会場でスマホなどを使ってアーティストに変わってその日の演奏メニューを入力してあげることが出来ます。
データ入力の責任者は、あくまでも演奏者自身です。入力代行をお願いする場合も、演奏者自身が責任を持ってください。当然、データが重複しないようにフィルターを設けますし、どこかの元議員のように、物理的に行ってもいない場所で演奏データを入力することはできません。

これは、著作権料を正しく分配されるべきアーティストにとっては、このデータこそが大きな実績になります
そして何よりも、この動きが日本の音楽著作権業界を変える起爆剤になって欲しいです

しかし、言っておきますが、これは本来はJASRACが構築しなければならないシステムです!
それを、江川ほーじんさんやファンキー末吉さんを支援する皆さんの力で作ってあげるのです!
そもそもJASRACがこのシステムを丸々自分の「作品データベース検索サービス」に導入さえすれば、誰もブラックボックスに金を入れる必要はなくなります
世の中は小さなことから変わります。いえ、正しくないことは、より現実に則した方法に変えてゆかないといけません!

日本の音楽の将来とこれから生まれてくる子供たちのために。
ベータ版公開の12月1日をお待ち下さい!

私の気持ちは皆さんと全く同じだ。
末吉のためにではない、みんなが愛する日本の音楽のために共に闘っていこうではないか!!

2014年10月29日 江川ほーじん

この「演奏曲目入力システム」を構築するために、ファンキー末吉支援の会に皆さんが募金してくれたお金を、ファンキー末吉さんに了承を得たうえで使わせて頂きました。報告は後ほど。
今後とも、日本の音楽のために、長い闘いに向けご支援をよろしくお願いいたします。

2014年10月29日 ファンキー末吉支援者の会 代表 河崎 覚